長い夜
諸行無常
#3
Slow



 汗に張り付く胞子が、金粉を斑に散らしたように光っている。
 昼光よりも眩しい聖域に微睡んでいる。
 力の抜けた体を心地良い脱力感が支配している。どれ程の想いがこれまでに生まれ、今どれだけ君に伝えられたのか知れない。優しい言葉なら幾らでも思い付くが、ある意味で相手を追い詰める行動に、どんな優しさが存在するのかも知らない。何も考えていなかった。無心に何かを掻き寄せていただけで、熱病のような時が過ぎて行った。
 ただ、大人しく組み伏せられていた伸の熱さと、皮膚に感じた甘やかな震えがいつまでも、この手に残るようだった。
 征士は淡く霞むような思考で考えている。己は一体何をしたかったのかと。見詰め続けるだけで手を出せなかった、そんな牢獄のような時間は永久に続くように思われた。けれど実際は、極薄い膜を破るような簡単な事だったのだ。否、それを思い留まらせていた存在が、あまりにも大きかったと言うだけだ。今にしても大きい。要である彼を裏切ることだけはできない。
 だがそれも、いつしかその意味合いを変えていた。仲間達がそれぞれ進歩をして行くなら、出会った当初のままの付き合い方を頑に続けるなど、愚かな事だったかも知れない。伸はそれをとうに知っていたと言うのに、己は一体何を考えていたのかと思う。
 何故私は進歩しない?。何故いつまでも立ち止まっていたのだろう?。
 まるでこの、重い足枷を負った妖邪界の時間のようで、とても哀しかった。
「…何だよぅ」
 見えないものを必死で手繰り寄せるような、身に詰まされる感覚が継続していた征士は、伸の頭を胸に抱えたままで居た。そのまま暫くの間呼吸運動だけで、指先程しか動かさなかった彼等だが、先に征士が伸の髪を弄び始めて、伸は笑いを交えながら呟いた。凡そ征士らしくない、乱雑に玩具を散らかすような彼の手は、まだ何かをしたがっているようだった。
 しかしそれで、悩み所のくせっ毛が滅茶苦茶になるのを嫌うと、伸は彼の腕を除けようとした。除けようとして伸が手首を掴んだ時、征士は漸く口を開いた。
「おかしなものだ、体を手に入れてみると、それだけでは足りないと感じる」
 その前までは、己への怒りと迷いに翻弄されていた彼も、今は宙を舞う胞子の緩やかな昇降の如く、静かで穏やかだった。そんな状態の征士がそう言った。恐らく今ここで考えられる、彼の純粋な結論なのだろうと伸は受取る。そして答えた。
「欲張りだな」
 無論肉欲のみで満足するなら、こんなに悩みはしなっただろうが。
 苦しんだのは征士ばかりではない。今は軽い調子で話している伸にしても、相手をどう受け止めるべきか長く迷って来た。征士の思い方は自分とは違う、感情そのものの強さが違うと同時に、感情を制する力も強い。それが征士の特徴なのだから、安易に楽にしろとも言えなかった。助けてやらなければと、昔のように自然な気持で考えられても、動くことに躊躇する日々が続いた。
 何故なら、こんなにもお互いを見詰めて来たから。沸き起こる感情より先に、相手の存在を揺るがすリスクを思う程、ふたりは対照的な要素を持っていたから。選ばれた戦士として無責任にはなれない。善悪が打ち消し合うように無となってはいけない。左右の中を取るような和とならなければ、それぞれの個性も死んでしまうだろう。
 大切なものを傷付けず守るにはどうすれば良いか、無言の対話をし続けたようなものだった。
 大切な相手を破壊せずに、心を繋げられる方法は結局あるのだろうか?。
 今となって伸にも、征士にもぼんやりとした答は見えて来たようだが。
「…もっと伸がほしい、どうしたら全て手に入るのだ」
 彼だけの心、彼が属する世界ごと。
 征士はそう言ってやや身を起こすと、頭を預けていた伸を支えて起き上がった。もう一度伸の目を見て話したいと、しなだれ掛かる彼の体を起こそうとした。が、途端に征士ははっとさせられる。伸はうまく膝が立たない様子を示していた。不具合に苦悶している訳ではないが、充分な力が入らないのだ。
 態度は落ち着いていても、無論行為に慣れていた訳でもない。伸に取っては無理矢理異物を受け入れた、と言うのが現実かも知れない。はだけた着物から伸びる脚には、何かが伝い落ちた跡が生々しく残っていた。征士にはそれが、自分の押した烙印のようにも感じられ、切なくなる。
 本当にこれで良かったのだろうかと、問いながらその体を抱きしめた。
 やはり、己の底の意思を現せば現す程、相手を傷付けてしまう気がして、再び征士の頭には不安が過った。百夜に一度、否、千夜に一度の爆発的な光のざわめきは、案じた通り不吉な予兆だったのだろうか。踏み締められる天然を堪えて生きる草花には、何の罪も無いことだが、見る者を圧倒する美しさも今は苦々しかった。征士はただ、伸がここに来たがっていた意思を汲んだだけの筈が…。
 その時、征士の背後からは淡い影が近付いていた。
「!!」
 目の端にそれを捕え、征士が慌てて振り返ると、言葉も無く歩いて来たのは悪奴弥守だった。ふたりが夜会の席を長く外しているのに気付いて、様子を見にやって来たのだろう。
 だが、悪奴弥守が親切心からそうしたのであっても、或いはいつものお節介だとしても、彼に対して場を取り繕うことは不可能だった。丈の短い草が一面に根付くばかりのここは、元より身を隠す場所が無い。だから獲物となる動物も住み着かず、狩りに赴く場所でもなかった。見通しが良く明る過ぎる程のこの夜、近付けば彼には容易に判るだろう、これまでふたりが何をしていたかなど。
 何故なら彼の望みを拒みながら、征士は自分がそれを実行したのだから。
 ふたりのすぐ傍まで来ると、悪奴弥守は立ち止まってその様子を凝視していた。彼が来る前までに伸は、開いた着物の裾を何とか引き寄せていたが、それでも不自然に弛んだ着付けは誤魔化せなかった。否、誤魔化そうとした訳ではなかった。故に伸は怖じ気付くことなく、征士を見下ろしている悪奴弥守の顔を見る。
 そして彼の目には、恐らく征士しか映っていないのだろうと判る。彼が何かを言いたいとすれば、当然征士に対してだろうと言うことも。裏表の無い悪奴弥守の考えは、伸には酷く解り易いものだった。そして伸の見ている間に、彼の表情は段々と険しくなって行った。
 見ている、と言う表現から、睨み合うと言った様子に変わっていた。実際はそれ程経っていないだろうが、息の詰まるような沈黙を彼等は、自ら苦悩する程に長く続けていた。伸はともかく、征士と悪奴弥守にはどうしても引けなかった。妖邪界に於いては長く師弟のような状態で過ごしたが、本来彼等は対等でなければならない。それを本人達も解っているからだ。
 これまでの信用を翻したのは征士だ。だが、遅かれ早かれこんな機会があっただろう。知らぬ事が多過ぎる時代には、一切の傲慢さを捨て先人を立てる事もできた。だがもう、これ以上留まっては居られないと、征士の瞳が一際強い意思を見せる。全ての者に優しい懐かしさと決別する意思を。
 悪奴弥守の腕が静かに動いた。
「…貴様…」
 押し殺すような掠れ声で一言、そう言い切った時には素早く何かが振り下ろされていた。今は鎧も武器も持たない、征士は咄嗟に額の上に腕を組んで防御する。
 バシッ、と言う乾いた衝撃音。
 けれど征士には何もなかった。はっと目を開くと、
「っ痛…」
 ふたりの間に入った伸が、腕を押さえて場にへたり込んでいた。それを唖然としながら見たのは、征士も悪奴弥守も同じだった。何故伸にそうする必要があったかと、すぐには理解できそうもない。
 しかし悠長にそれを考える時間も無かった。征士が目を見張る間に、伸の腕から赤い筋が流れ出していた。もしこれが、戦場で戦っている中の一場面なら、迷わず伸を気遣う方に意識が向いた筈だった。けれど征士の思考は止まってしまった。人物を霞ませる程の光があっても、尚鮮明に目に焼き付く血の色。
 石火矢を受けた獣の腹から、吹き出した鮮血の映像を思い出していた。
 ここに今同じように傷を受けている伸が居る。
 結局己は、我等は同じなのだ。同じ罪を冒して同じ咎を負う者だから、己と悪奴弥守は隣人たることができない。適当な距離を以って付き合うことができない。否が応にも重なってしまう…。
 と、言葉として思う前に、征士は哀しみに突かれる様に動いていた。
「何を…する…!」
 伸の行動に驚いたままの悪奴弥守は、また更に目を見開く。自分と同じような表情をしながら、征士が自分の首を締めていた。否むしろ、征士に取っては自決するような行為かも知れない。その手に容赦なく力が込められて行くと、悪奴弥守は解こうとして力ずくに藻掻く。
「止めろよ征士!」
 その恐ろしい光景を目にして、伸が叫ぶような声を上げるまで、本当に、彼等は気が触れてしまったのではないかと、思う程だった。
「血が出たのは事故だよ!、峰打ちだ。悪奴弥守が君を切ろうとする訳ないだろ…、僕は大丈夫だよ…」
 最後には細い声になって行ったが、伸が敢えてそう説明した意味は、茫然と対峙するふたりにも確と届いていただろう。
『私が傷付けたも同じだ、実と影は一体の存在なのだ』
 征士の態度はあくまでそう言っていた。けれど、
『僕と悪奴弥守はそう遠くないんだ、君に取っては彼も大事な存在の筈だよ』
 伸はそう伝えたかった。五人の内では誰よりも魔将達を理解できる伸だから、彼等が再び反目し合ってはいけないと、誰よりも案じていたのだ。他の命の為に身を賭しても構わない。それは便宜的な言い回しかも知れないが、それこそ伸の知り得る竜宮の美しさに、通ずる言葉ではないかと思う。
 死して理解する以外に、誰も知りようのない話だけれど。
 動きの止まった三人の間を舞い踊る、緩やかな風に流されて行く光の胞子は、ささやかな幸福も禍根を残す出来事も、何れ全て過ぎてしまうことを示すように、軽やかだった。その場その場で哀しい、苦しいと感じてしまう人の心に比べ、思考しない彼等はあまりにも自由だった。そうだろう、こだわる気持さえ無ければ、生きることに考え込む必要もない。誰が傷付こうと構わなかった。
 だが人間なのだ。極平均的な人間とは言えなくとも、その枠を外れる存在ではない。そんな彼等に何らかの慰めがあるとすれば、どんな思いにも必ず未来はあると言うこと。意思を持って動こうと、そうでなかろうと根付く大地は必ずあるだろう、そう思えることだった。時は掴む傍から去ってしまうが、葬られた時間にこそ大切なものは残される。そこから明日が描かれる、だから人は忘れながら生きるのだと。
 何もしなければ何も変わらぬ。
 それは水の底に眠る誰かの、切なるメッセージなのかも知れない。
「…戻るぞ!」
 征士は蹲っていた伸を抱えるように連れて、乗って来た馬にそのまま跨がった。思い掛けない出来事ばかりが彩る夕べ、しかしあらゆる意味で気が済んだ征士は、もう一刻も早く煩悩京に伸を連れて帰りたかった。乗り手の居なくなったもう一頭の馬は、合図をすれば後を着いて来るだろう。征士が口笛を鳴らすと、離れていた一頭が馬なりに駆け寄って来た。その脚に合わせて、征士も手綱を打とうとしていた。
 すると、
「待て!、慌てるな。こっちから回った方が早い」
 自分の馬に乗った悪奴弥守が、征士の向きとはやや違う方を指して言った。
「ありがとう、悪奴弥守…」
 この期に及んで、それでも征士を許している彼に、伸はそう言葉を掛けていた。

『影であり、過去であり、死に属するものは、見えぬだけで多く存在するものだ』
 伸と悪奴弥守に共通して存在する意識。更にその上で悪奴弥守は考えている。
『お主が憧れるそれらより、誰にも持てないものをお主は持っている』
『その輝きを曇らせぬように、暗く優しい力には従わぬように、皆お主の手の内に収めることだ』
 そうして、光輪はより高みを目指すのだと。



 明けを待つ者の夜は長過ぎる長い。
 征士が夜会の席に戻ると、治療の為に屋敷へ戻った那唖挫と伸を除いて、他の者の質問攻めに遭っていた。結局のところ煩悩京の住人は退屈なのだ。険しい顔をして戻った面々から、持て余した暇を埋める土産話でも聞ければ、それで満足のようだった。征士と悪奴弥守の様子が不自然なことを、心配するような気配は微塵も感じられなかった。まあ、それが長過ぎる時を生きる者の通例なのだろう。
 だからと言って、全てを洗い攫い話すつもりなどなかったが、その辺りは魔将達の方が一枚も二枚も上手であった。最終的に征士は話したくない事まで、言わざるを得ない状況にさせられていた。足代代わりに、などと言われれば螺呪羅には恩を着せられた形だ。よもや始めからそれを測っての事だったのか?、と征士は疑いたくもなった。
 考えてみれば彼は元々策士なのだ。先を読んで罠を張るのは螺呪羅の十八番だった筈。嗾けられた話に簡単に乗るようでは、まだまだ迂闊だと己に思うしかなかった。否、結果について不満はなかったけれど、からかわれている事実がどうにも歯痒い。
 そうして、出歯亀的な興味の対象に据えられた中で、征士は改めて気付く。悪奴弥守ならこんな遣り口はしないだろうが、自分も苦手なのだと。謀って人を動かすような事はできない上、悪意の無い謀には引っ掛かり易い。本当に、悪いと思える面ばかりでなく、とても良く似た特性だと解るのだった。
 実と影は一体の存在なのだ。この世が無へと還るまで。

「ハッハッハッハッ…」
 暫くして、征士と伸が席を外した新宮では、大宴会を思わせる笑い声が谺していた。螺呪羅が根掘り葉掘り聞き出した内容は、すっかり那唖挫にも伝えられたようだ。そして那唖挫は一頻り笑い切ると言った。
「あの烈火に気兼ねするとは、律儀にも程があるわ」
 彼が「あの」と称する意味は、螺呪羅が続けた言葉で判りそうなものだった。
「烈火は意に介さぬだろうに…」
 と、言い終わらない内にまた笑い始めていたけれど。
 魔将達にしても、戦士としての五人を束ねているのは烈火、と一致した意見で見られることだったが、但しそれはあくまで、課せられた義務を果たす上での形式だと、彼等は平素に考えていた。いつか似たような問答に苦悩した事もあっただろう、鎧の為に己が在るのではないと。己の感情、行動の全てを理想に合わせようとしても、所詮人間には不可能なのだと。
 そして烈火本人は未だ純粋過ぎて、痴情沙汰など理解できないままだ。果たして本当に、仲間の結束を保つ為に必要な自重だったのか?。と、征士のこれまでの経過を愚かだと、螺呪羅や那唖挫は笑っている訳だけれど。
「そう笑うな。あの年頃で俺等並に擦れていたら、却って恐ろしい」
 憮然として悪奴弥守は言った。征士が考える、魔将達は長い年月を生きた為に寛容過ぎるとの説も、彼には理解できているのかも知れない。強ちそれは外れてはいない、今全てを理解する必要はないと、考えているのかも知れない。
 しかし、
「あーあ、肩を持てども寝取られちゃあしょうがない」
 螺呪羅はそんな悪奴弥守をも笑い飛ばした。
「だから言ったのだ、下手に手を出すと痛い目に遭うと」
「自業自得ですよ」
 那唖挫と迦遊羅は嗜めるように言った。
「…螺呪羅、貴様が焚き付けるような真似をするからだろ…」
 何が発端かと言えば、螺呪羅の所為に他ならないけれど。
 それも皆、一時だけで過ぎてしまう事だから、それ以上に憤慨することもなかった。大切な絆を思う心はむしろ、長く生きる程に強く深くなるものだから。
『何れはこんな時が来るのは判っていたが、仕方が無いか…』
 新宮の窓の桟から、外に居る征士と伸の姿が見えた。すぐ裏の城内に那唖挫が停めている船を見に行って、戻って来たところのようだ。否、征士は先程までの話の場から、逃げ出す口実として船の話を切り出したのだろう。今の彼はまだ、有無を言わせぬ理屈を得ていないからそうなる。遅かれ早かれ、逃げなくとも良くなる時は来るだろうが。
 そして今を懐かしむ時も必ずあるだろう。ふたりが通り過ぎた窓の外を、悪奴弥守は眺めながら思った。
『お主は俺など軽々と超えて行かねばならぬ』

「私には竜宮を見られないのだろうか?」
 征士は前を歩く伸に言った。伸は社殿の庭の開けた空に浮かぶ、月に臨みながらこう答えた。
「え?。そうだね…、光より早く走ると過去が見えるんだってさ、知ってる?」
 けれど何も返さずにいる征士に、もう一言続けた。
「綺麗と言うなら、月照原の方がずっと綺麗だったよ」
 それでも、征士は答えようとしない。彼が納得する説明ではないからだ。
「あ、今度蓮池に行く時は君もおいでよ、きっと命が新しくなるような場所だと思うよ」
 だが伸もまた、頑に真実を明かさないでいる。その態度の意味だけは納得できた。征士は包帯を巻いた方の伸の手を取って、漸く返事をする。
「解った。もう考えない…」
 其処に近寄ってほしくないと、伸は考えているのだろう。それは征士の為にならないと考えているのだ。そして、そんな配慮の仕方は確かに、悪奴弥守に似ていると征士は思った。己の対極に在るものを知る者同士だから、不思議なことではないのかも知れない。
 だが彼等の違いなら判っていた。
 伸はいつも、少し年上の態度を見せながらも、人に従うことを辞さなかった。
 そして征士は、己に属さぬもの全てを手に入れようと、伸に惹かれて行ったのだ。
 思えばそれは、大切な人々を理解する為に、だったかも知れない。



 優しさとは強い輝きで魅了する力ではない。
 故に過ぎ去った過去は、暗く深い水の底へと隠されてしまう。
 そして征士には、永遠に触れられないのだろう。









コメント)と言う訳で、結局何が書きたかったのかと申しますと、同じキャラを使っていても伸征にはなり得ません、征伸です、と言うことかな…?。この組合せでは、伸の方が精神面ではかなり大人だろうと思うので、それだけ許容範囲も広くて、やっぱり受だなと言う私の考えです(^ ^;。いや、中身が女じゃなければ、やおい的カプは大体そういうもんだと思ってます。
 それと、征士って態度がおっさんみたいな割に、ホントにいつまでも子供っぽかったな、と言う私の印象を何かの形で裏付けようとした時、なかなか進歩を見ない妖邪界、そこに住んでいる魔将達などが、丁度良く話に絡んでくれたので、それを書きたかったのです。
 昔からアヌ征は割と好きなんですが、人の本を見る度どうも、「不毛だ」と感じてしまうところがありまして。他の魔将達とルーパーズのカプはそうでもないけど、アヌ征ってちょっと他と違う、ふたりの要素が似過ぎている面が、不毛さを感じさせるんだろうと思いました。そんな訳でこの話でも、征伸と対照になる経過として、淡々と彼等の行き詰まる状態を書いたんですけどね(^ ^;。
 それにしても、アヌビスがかなり切ない話になりながら、魔将達はいつも最後は笑い話になってしまう…。たまにはシリアスに終りたいなぁと思いつつ、結局あまりアレンジできなかったけど、まあ、征士と伸が幸せならいいや…(笑)、て、最後に投げ槍ですみません。




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