三者会談
中学生日記
Diary of junior highschool



 夏の終り、ひとつの戦いの時が過ぎて、鎧戦士達は束の間の休息に寛いでいた。
 たったひとり妖邪の帝王と対峙し、酷く傷を負った遼も順調な回復を見せ、彼等の間に心からの笑顔が戻っていた。
 夏の日射しが日に日に、柔らかい秋色に変化して行くその頃、山中湖畔の柳生邸に集う面々は、毎日様々なことを話し騒いでいた。何しろ、出会い頭に簡単な自己紹介をしたきりで、それぞれの普段の生活や生い立ちなど、まだ何も知らないと言っていい状態だった。一日時を重ねる毎に、それぞれの新しい顔が見えて来る、今はまだそんな時だった。



 その日も、柳生邸の居間では遼と当麻と征士がソファに、秀は床に座り込んで思い思いに談笑していた。伸はナスティと共にキッチンに居た。もうすぐ午後三時になるので、お茶の支度をするナスティを伸は手伝っていた。
 ところで彼等は今朝から、「学校での生活」について話している。戦いの為に休学を余儀無くされた五人だが、この強烈個性な集団も普段は、普通に学校に通っていたりするらしい。
 なので話題と言っても、文化祭の代わりに合唱祭があるとか、来年の修学旅行は東京だとか、普通の中学生の話題と何ら変わりはない。世界を魔の手から救おうという戦いの後、給食が不味いの、制服が気に入らないのと文句を垂れる、それが鎧戦士達のリアルな現状だった。
 そんな中でのこと、出される話題が少々ある方向に傾き始め、征士がこんな発言をしていた。
「トルーパーをやっている間は、おちおち彼女も作れぬな」
 それを聞くと、当麻と秀は『うんうん』と頷いていたが、何故か遼は目を開けたままじっとしていた。恐らく余り考えたことのない話題だったのだろう。遼のおかしな反応に気付かない征士は更に続ける。
「どうでもいい取り巻きを引き連れて歩くのも、嫌だとは言わないが、どうせならふたりきりでデートといきたいものだな」
 しかしその発言には、遼と秀が即座に反応した。
「『取り巻き』って何だよ!?」
「ケーーーッ」
 ふたりの、征士を見る目が明らかに変わっていた。遼にしてみればとんでもない別世界の話、と言うところだが、秀のは半分やっかみらしい。
 まあ遼以外の三人なら、この光輪の征士に出会った時から、大体のことは想像がついていただろう。そして当の征士にしても、こんな反応をされるとは思わなかったようだ。彼は普段の、有りの侭の様子を語っただけなのだ。当麻は至って涼しい顔で聞き流していた。
 そこへ伸が、全員のコーヒーカップを乗せた盆を手に入って来る。
「今何話してた?、何か楽しそうだったじゃないか」
 暫し輪の中から外れていた伸は、ブランクを取り戻そうと誰にともなく尋ねた。が、前の衝撃から続く空気が、なかなか彼等の口を開かせないでいた。すると、やや俯き加減にしていた当麻がふっと顔を上げ、興味深そうに伸に尋ね返した。
「俺は伸に、前から聞いてみようと思ってたんだが…」
 質問に質問で返され、伸は妙な雰囲気を感じながらも当麻の方を向く。それを確認すると当麻は、口調をややお茶らけた調子に変えて続けた。
「おまえさー、彼女とかっているか?」
 一時の間。
「何故自分にそんな質問が?」と伸は思ったが、恐らく他の四人より一年長く、学校に在籍する立場だからだろうと理解した。そして、その返答については少し考え、
「うーん…、僕らにはさぁ、鎧戦士としての責任がまずあるじゃないか。そう言うことを考えると、今特定の彼女を作ろうって気にはなれないね」
 と伸は返していた。
「だよなぁ」
 当麻は間を置かず返事をすると、酷く納得したようにまた頷いてしまった。横で征士と秀も同様の態度を見せていた。
「難しいよな、俺達の行動を理解していて、一緒に行動できるような人物はいるのかね」
 当麻は最後にそんなことを言って、一連の話題を締め括るように、フッと諦めの笑みをも見せていた。またそれにつられるように、談笑の場は溜め息モードに変わって行った。まあ、今の彼らには大して重要な話題でもないが、そこに集う誰かの気持と一緒になって、何となく冴えない気分を味わってみるのも、仲間でいる楽しさかも知れない。
 例えそんな気は全くなかったとしてもだ。
 その時突然、黙りがちだった遼が口を開き、一同驚く。
「ナスティがいる!」
 それを耳にすると、他の四人は更に黙り込んでしまった。秀は思わず遼の服を掴み、喧嘩を売るような勢いで言った。
「何考えてんだよ遼!、ナスティ一人に五人を相手しろってか!?、おまえは六人で結婚式を挙げるつもりかよ!!」
 しかしその発言はあまりに直接的過ぎた。遼は顔を赤らめながら、
「なんてこと言うんだーーーっ!」
 と怒鳴り返し、勢い余って秀の頭に拳が直撃した。
 がつん!、と鈍い音が部屋の空気を掻き破る。秀には気の毒だが、遼の雄叫びと拳の一撃が、部屋の妙な雰囲気を一掃してくれたので、皆ホッと胸を撫で下ろす心境だった。それぞれが秀の言うような場面を想像し、何とも言えない気分に至っていたところだ。
 一夫多妻なら珍しくもないが、多夫一妻とは実に気持が悪い…。
 ともあれ、その場は元の明るい流れを取り戻した。吹っ飛ばされはしなかったものの、涙目になっている秀の頭を伸は、猫でもあやすように撫でていた。その横でカラっとしている遼は、既に前の事態を忘れている風だ。このふたりの場合はそれで、特にケアを考えなくとも問題になることはない。
 まだ引っ掛かりを残した様子の当麻は、テーブルに置かれた自分のカップを取ろうと、深く凭れたソファから体を起こす。その拍子、腕組をしてまだ考え込んでいる征士が、彼の目の端に映った。
「納得いかないか?」
 と当麻が尋ねると、意見が変わったのか、話の流れからなのか今度は何と、全てを覆すような話を征士は始めた。
「…色々考えてみると、私は彼女がほしい訳ではない、かも知れぬ」
「何なんだよそりゃ」
 当麻は即座に言い出しっぺの本人に切り返す。すると、
「見当違いだった。私は別に結婚だの何だの、将来のことなど考えてはいない。ただ『今日はデートだ』という、楽しい気分を味わいたいだけなのだ。当麻」
 征士はそう続けた。成程、それこそ征士らしい意見かも知れない。と、皆が思ったか思わないかの内に、丁度そこへケーキの皿を持って入って来た、ナスティが突然話題にも入って来る。
「あーそれってわかるわ〜!。ただ会ってお喋りしたり、手を繋いで歩いたりってことを考えるのが、楽しくてワクワクしちゃう時あるわよね!」
 彼女が実に素直に、笑顔で賛同すると征士も「そうそう」と相槌を打った。そして他の四人もわあっと沸き立つように、照れながら笑い合うのだった。そう、言葉にするのも照れ臭いような、ときめく瞬間を求める気持は普遍的なものだ。彼等はただそんな経験をしたいに過ぎない。
 まだ真実の愛など重要ではなかった。
 部屋の中央に置かれたテーブルの上で、ナスティがケーキを切り分け始めると、秀の関心はもうケーキのみに集中したようだが、当麻と征士の間でまだ話が続けられていた。
「ってことは、本当に彼女だ恋人だって、決まった相手でなくていい訳だ」
 当麻が言うと、征士は慎重に言葉を選ぶように返す。
「まあ、そうなのだろうな、余程気に入らない人間でもなければ」
 すると、当麻は何らかの名案を閃いた風に、両手でパンと膝打ちをして見せる。
「つまり言ってみれば、恋人のフリをするのが楽しいんだな?。ある意味真似事と言うか、そんな機会があればいいんだ」
 征士は目を見開いた。
「おお、核心を突いて来たな当麻」
 愉快そうに笑った征士に対し、当麻は既に『冴えた思い付き』に得意顔だった。ニヤと笑い返して一瞥すると、彼は他の仲間の方に向き直って言った。
「だったら簡単だ、この五人の中で、誰かを女役に仕立てりゃいいんだ」
 ある意味では素晴しい案だったかも知れないが…。
 一同は唖然としている。
 開いた口が塞がらないとは、この状況を指すと言う場に化していた。特に秀と伸のふたりは、「嫌な予感がする…」と背筋に寒いものを感じ始める。何故なら彼等が最初に出会った時点では、皆似たり寄ったりの体格だったものが、ここに来て少しずつ差が出始めて来た。今現在五人の中で最も背が低いのは秀で、それだけで不利を被る立場だった。伸はと言うと、以前から女面だと指摘を受けていた所為である。
 すると、怯えるふたりの様子をふと窺った遼が、誰からも見えるようビシっと挙手をして言った。
「意義あり!」
 この話題に於いて、遼から積極的な反論があるとは思いもしなかった。当麻はキョトンとした顔で彼を振り向く。そして、
「そんな役、誰かひとりに決めるのは可哀想だ。と俺は思う」
 そう言い切った、大将の鶴の一声には誰も逆らえなかった。勿論彼が何より仲間を思う気持を、既に皆が理解している証明だった。
 遼の横で、「ありがとう〜」と縋るような目で訴える伸と秀。だが発案者は非情な仕掛け人でもあった。
「うーん…」
 と、当麻は一度首を捻ったが、程なくしてその口から『進化した名案』が発せられる。
「それじゃあ、ローテーションで回してみよう!」
 一同は更に唖然とするばかりだった。



 翌日の明るい昼間、山中湖近くの公園には、この「ローテーションデート作戦」の発案者である当麻と、柳生邸の倉庫から掘り出した年代物のワンピースを着て、赤いリボンで髪をふたつに結んだ遼が、睦まじく(?)デートをしている姿が見られました…。



 更にその翌日、昼食前のダイニングでのひと時だった。
 昨日帰宅してからと言うもの、ずっと不満顔を続けていた遼が遂に爆発した。
「彼女がほしいと言ったのは征士なんだぜ!?、俺は参加しなくていい!!」
 ギャグのつもりが、迫真の形相でそう訴える彼を見ると、流石に当麻も引かざるを得なくなった。くじ引きで決定した昨日の出来事が、遼には余程お気に召さなかったらしい。
 既に昼食の席に着いた秀も、「尤もだ」と言いたげにニンマリしている。布巾でテーブルを拭いていた伸も、「馬鹿馬鹿しい」という顔でせせら笑っている。
 その時階段から降りて来たばかりの征士は、遼の大声のお陰で状況は把握できたが、いつも通りの無表情を決め込んでいた。遼を敵に回すのは得策ではない、と誰もが判断した結果であり、当麻は遂に孤立無援になってしまった。
 しかし、それでも簡単には諦めないのだ。
「…わかった、遼の言う通りだ、征士以外のことは置いておくとしよう」
 と、すぐに当麻は方向転換し、遼が納得した様子を確かめると、今ダイニングテーブルの席に着いたばかりの、征士に向かって話を続けようとしていた。実に当麻らしい、これと思う事には根気よく当たる性質が窺えた。
 と言うか、当麻には面白くてしょうがないイベントだったようだ。
「では征士君、この中から一名を指名してくれたまえ」
「!!」
 安心したのも束の間、「まさか」と言う態度を隠せない面々…。
 まず途端に青褪めたのは遼だった。これでは自分の主導権がなくなっただけで、状況は何も変わらない。否、むしろ悪い待遇に後退したと自ら判ったのだ。また席で固まっている秀と、台所との境にあるカウンターに戻った伸も、その事実には確と気付いていた。三人は固唾を呑んで、蛇に睨まれたカエルよろしく、征士の次の動向を待つしかなくなっていた。
 異様な雰囲気に静まるダイニングルーム。しかし話題の中心である征士はと言えば、いつも通り全くのマイペースだった。彼が無言で考えている暫くの間、取り巻く者達は生きた心地がしない様子で、そわそわと落ち着きをなくしていた。
 そしてその時は来た。
 征士は顔を上げ、ぱっと目を見開くと体をくるりと九十度回転させる。そうしてキッチンのある方向を見たのだった。
 その時伸はカウンターの引き出しから、人数分のカトラリーを拾い集めていた。フォークとスプーンを全部で十二本、左手に纏めて引き出しを閉じた。そしてテーブルの方を振り返ると、何故か全員が自分を見ているのに気付く。
「えっ…、何?」
 伸が言うと、当麻は至極明るい調子で答えた。
「さっきの続きさ、征士はおまえに女役をやってもらいたいそうだ」
「えーーーーっ!?」
 奇声を発するなり、伸は一目散に征士の元にやって来て言った。
「何で??、何で僕なんだ!?」
 そして言い終えると同時に、空いた右手で目の前の机上を叩いた。マナーに煩い伸にしては珍しい行為だった。それだけこの決定には不満がある、と言う彼の意思表示なのだろう。否、誰が選ばれても同様の行動をしたに違いない。
 ただ、征士の横に立っていた遼は、既に安堵の息を漏らした後だった。
「いやあ、何て言うか、やっぱり似合う奴と似合わねー奴がいるよな…」
 と、彼は脱力気味に笑っている。そして秀も、
「だよなっ!、伸は線が細いし、顔だって女の子に見えなくもないじゃんか。なあ?」
 と調子良く他に同意を求めた。
『昨日の友は今日の敵…?』
 ここに来て掌を返したふたりに、伸はそんな逆説を思ったが、その時ふと状況の妙にも気付く。
「…当麻は?」
 言われてみれば、何故か発案者の彼を外して考えていたようだ。
「当麻だって、細いし、色白だし…」
「いや俺は…」
 条件を挙げ列ねて反撃する伸に、振られた本人は鼻から逃げ腰の態度だった。それを見た途端、遼、秀、伸の三人は眉間に皺を寄せムッとする。『人には容赦なくやらせるくせに!』と恨まれて当然、殊に遼には敵意を向けられて仕方がなかった。
 誰だって見る側なら面白いこのゲーム。
 丁度その時、秀の鼻先を美味しそうな匂いがくすぐった。ナスティが食事をテーブルへと運んで来たのだ。途端にまた秀だけは、前の会話など放棄状態になった。
 だがナスティは支度をしながらも、話の成り行きに耳を傾けていたらしい。なので、
「フフフッ、当麻がやり込めらるなんて珍しいわね?。まぁ、でも、征士のことなんだから、征士が決めたらいいんじゃない?。みんなで言い争ってもしょうがないわ」
 と、にこやかに助言してくれた。
 実のところナスティはこの状況を楽しんでいた。戦いの日々はまだ続くのかも知れないが、消えてしまった肉親と入れ代わりにやって来た、賑やかで頼もしい五人の弟達は、淋しさや孤独感を忘れさせてくれるからだ。まだ多少幼さも残る彼らが、日々何を考え、どんな面白い事をやらかしてくれるのか、ナスティの関心は今はそれに尽きている。
 なので、そこに加わっていられる立場を利用して、事を煽っている風情もあった。
 さて、彼等はナスティの言葉を受け、ひとまず食事の運ばれて来たテーブルに着くことにした。パスタの上にかけられたトマトソースの、甘酸っぱい匂いが充満するダイニング。空腹を抱えた少年達には、ちょっとした不満なら水に流してやろうとさえ思える、美味しそうな、幸せそうなプレートの上の景色。
 しかし征士が再び沈黙して考える間、「自分だけ逃げるな」「汚ねーよ」と、当麻は他の三人に攻撃され続けていた。最早どうでもいいような、実は根が深いような微妙な議論。
「勘違いするな、俺は逃げも隠れもしない!」
 とは言ったものの、当麻はかなり立場を悪くしたと感じていた。本心ではどうあっても、恥をかく役柄からは逃れたい一心だ。万一のことあらばどう言い訳したものか…。
 ところが、
「やはり、伸にしておく」
 との結論を征士は出した。
 その言葉を耳にした瞬間、他の三人の内に張り詰めていたものが一気に弛む。何処かでググッとお腹の鳴る音が、緊張の糸が切れた合図のように彼等の耳に届いた。ただひとり、当たり前だが合点がいかない伸だけは、そのままテーブルの縁にしがみ着いて叫んでいた。
「どうして僕なんだーーー!!」
 最早、誰も伸の泣き言を聞く気にはなれなかった。これで話の決着が着いた、目の前に食事も用意された、もう何も思い残す事はない、とばかりに皆さっさとカトラリーを取り始める。
 しかし収まりがつかない様子の伸には、ある程度、気持だけでも納得できる説明をしないと、後々大変な八つ当たりで返されそうだった。彼の性格から考えると後の方が恐ろしいかも知れない。
 ただ、征士がぼそっと、
「目を閉じると…」
 と言って、その通りに自分の目を閉じて見せる。テーブルを囲む面々が「何だろう?」と征士に注目する。そして彼はこう言ったのだ。
「どう聞いても、当麻の声は男の声にしか聞こえないのだ」
 間を置かず爆笑が起こっていた。
 無論伸には笑えなかったが、残念なことに、それに反論する言葉も見付からなかった。征士の指摘は全くもって正しい。「確かに確かに」と、名指しされた本人もしたり顔で笑っていた。
 この場はこれにて一件落着、の様相となってしまった。

「しょーがないなぁ…」
 今日は丁度良い固さに茹で上がった、ソース掛けのペンネを口に運びながら、伸は複雑な心境のまま呟いていた。ただの遊び、又は仲間内での余興と言うだけで、深く考える程のことではないかも知れない。だが遼の前例を見て、自分がそうだったように、皆が大笑いすると思うと気分も滅入った。
 否、笑われなければ構わないのか…?。
 すると、
「もういい!、わかった。君の道楽に付き合ってやろうじゃないか。僕は完璧にこなす自信があるからな!」
 有り難く思え、とでも言いたげに、伸は一転語気を強くして宣言した。向いに座る秀が、
「どーゆー意味だよ、そりゃ」
 と反応したので、
「おや?、だって僕はお茶もお花も習ったし、君達と違って色んなお作法を身に着けてるしね。半端なことはしないんだよ」
 と、伸は更に強気な説明をして聞かせる。既に相当開き直っているようだった。
 こんな時の伸は些か恐い、と言うのが仲間達の一致した見解なので、「じゃあやっぱり伸を選んで正解だ」とは誰も口にしなかった。後でどんな復讐をされるか解ったものではない。
 皆しれっとしてその当日を待つばかりだった。



 昼食を終えた後は、今日もまた長閑な日射しの午後だった。
 永遠にこの平和が続いたらいい、と晴れ渡る空に思いを馳せながらも、それはないだろうと何処かで感じざるを得ない、切ない青春の時を過ごす戦士達。けれど求める理想や、心に描く夢はみんな、同じ十四歳の普通の少年と何ら変わらない。だから、苦しい戦いの中に在っても笑えるのだと、ナスティは少し離れた場所から、日向に戯れる少年達を見守っている。
 
 それぞれ思い思いに休息する中、ひとり征士は熱心に雑誌を捲っていた。
「まずはディズニーランドに行かなくては!、まだ行ったことがないのだ!」



つづく





コメント)実は女装ネタってあまり好きじゃないんですが(笑)。まあでもこのシリーズは、おこちゃまLOVEな感じを書きたくて書いてみた、実験作のようなものです。出だしがこんなギャグの割に、それなりに結構切ない話になっていきます…、よろしく。



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