■北海道(道南)旅行記(2013.5.20〜22)
 北海道に行くのは二度目ですが、前回は道央から道東だったので、今回は道南中心の旅行です。
 で、今回は珍しく父が同行してるんですが、歩きたくなさそうな様子を見て(^ ^;、完全なバス観光ツアーに申込みました。まあ北海道は広いので、車を使って回らないとどの道観光し辛いですが。

 旅行期間は2013.5.20〜22、パックツアーは近畿日本ツーリストのメイト・道南ゴールデンルートスペシャルです。


5/20
旭川(旭山動物園)〜札幌


<出発・羽田空港にて>
 家を出た時は、前日からの雨が上がっていたのに、羽田も札幌・新千歳も小雨。天気が心配だな〜と言うスタートでした。
 で、毎度毎度旅行の前に何かしらトラブルがあるので、今回も注意してはいたんだけど、羽田のターミナルに着くまで特に問題なし。飛行機の時間を午前九時と遅くしたので、電車が通勤ラッシュでえらく混んでいた以外は、気になることや忘れ物もなかったし、これは良い出だしだぞ〜と思った。
 その気の弛みか、羽田でお茶買ったりトイレに行ったり、のんびり過ごしていたら、危うく搭乗時間に遅れそうになってしまった(^ ^;。例え国内線でも荷物チェックは早めに受けないとね…。
 しかも、荷物の中にカッターが入ってると言われ、全然思い付かなくて再検査。やっぱり入ってると言うので、よーく考えてみたところ、もう5年以上前から入れてある、同人イベントの荷開け用のミニカッターが入ってるのを思い出した(- -;
 その場で処分してもらったけど、同じカートバッグで過去に飛行機に乗った時は、何も言われなかったので、チェックが厳しくなったのかな…?。
 まあそんなこともありつつ、何とか予定の飛行機には乗れて、以降はトラブルなく北海道へ向かいました。

<道東と道南の違い>
 この日の昼食は各自でお弁当などを食べる、となっていたので、新千歳でお弁当を購入。そしてバスに乗って旭川へと移動。
 ちなみに私はタコのやわらか煮弁当、母はホタテ弁当を買って半分ずつ食べたけど、どっちも美味しかった。父は「しゃけサンド」なるサンドイッチを食べていたが、タルタルソースみたいなソースが付いてて結構美味しそうだった。
 旭川まではそこそこ距離があるので、その間車窓の景色などを見ると、以前来た道東と今回の道南は少し景色が違うことに気付く。道東は畑と森林、牧草地、放牧された動物などが次々現れたけど、道南はとにかく田んぼが多い。比較的暖かいから米作りが盛んなのね。
 気温は11〜12度、桜やコブシの花があちこちに見られて、まだやっと春を迎えた感じなので、田んぼはこれから田植えに入るような、ただの水溜まりになってる所ばかりでした。
 実際雪が残ってる所も多く、特に雪捨て場だった所はまだ大量の雪が溶け残ってて、今年の大雪のニュースを思い出した。車窓から見えた大雪山も真っ白だった。予定外に大雪山が見れたことで、俄然テンションが上がる(笑)。
 そんな私に合わせてる訳ではないけど、バスもすごいスピードですっ飛ばしていた。北海道は道が良く、高速道路は特にスムーズに走れるので本当に気持が良い。平日の空いた道を、普通乗用車から他の観光バスまで追い抜いて、ドライヴを楽しむように旭川に到着した。すると雨が上がっていました。

<なるほどこれが旭山動物園>
 最近の旅行ガイドには、道南で訪れたい場所No.1になっている旭山動物園。まあただ、私個人としては、旅行に行った先で普通の動物園を見なくても…、と言う思いもあって、このツアーを申込んだ時点ではあまり乗り気じゃなかった(^ ^;
 でも勿論、行ってみれば色々楽しいことがある動物園です。
 この旭山動物園は日本最北にある動物園であり、旭山の斜面を利用した高低差のある順路になっています。規模は小さいですが(増設工事中)、動物の見せ方に色々工夫があり、園内もとてもきれいで楽しめます。映画「旭山動物園物語」で紹介されたように、赤字経営で酷い状態だったものを、これだけ人気の場所にした努力はすごいですよねー。売っているグッズもかわいくて、人気が出るのがわかります。
 ちなみに休日は大変な人出で、有名なアザラシのトンネル水槽などは、見る時間の制限が設けられるらしいけど、今回は平日なので存分に観られました。あのトンネルは凸レンズの働きをして、実際のサイズより太って見えるんだけど、それだけにアザラシがよく観察できて楽しいです。
 他に面白かったのはトラやヒョウなどの猛獣類。ガラス窓や檻の配置の工夫で、とても見易くなってるのが良かった。ユキヒョウがすごく美しくて、名前を呼ぶとちょっと反応したりするのがかわい(?)かった。
 あと、インドクジャクとホロホロ鳥の檻で、クジャクがずっと羽を広げっ放しなのが不思議だった。普通動物園でクジャクを見ると、滅多に羽を開かなくてつまらないことが多いけど、何故ここのはずっと開いてるんだろう?。種類?。それとも愛想を憶えたとか??。
 カピバラはちょっと寒そうだった。元々冬期は見られないとパンフにあったので、まだちょっと厳しいシーズンなんだろうな。伊豆のシャボテン公園みたいに、温泉を作ってあげればいいのに。
 と言う訳で、全部見切れる時間がなくて、爬虫類やキリンなどが観られなかったんだけど、主なものをそれぞれ充分観察できて満足でした。

<札幌に戻って色々体験>
 初日の観光は昼からだったので、今日はもう札幌に帰って、札幌市内を車窓から観光するだけで終わり。
 行きと同様高速を飛ばして戻って来ると、きれいな夕焼けが見えて天気がどんどん良くなっているのがわかった。
 その後札幌の町に入り、大通り公園、北海道庁の旧庁舎、時計台などを見た。時計台は「見るとがっかりするベスト3」に入っていたりするけど、確かに趣ある建物ながら比較的小さかった。ライラックが咲く時期だと良かったけど、残念ながらまだ咲いてなくて。本来は丁度ライラック祭の時期なのに、今年の冬の長さで開花が遅れてます。着いたのが夕方遅かったので、町を走る観光馬車などももう見られなかった。
 尚、札幌の町は住所が北○条東○丁目などと表記して、道も整然と交差していますが、それは京都をモデルに作った町だからだそう。なるほど、とすごく納得しました。札幌と言う地名も、元はサツホロベツと言うアイヌ語だったとのこと。
 またそれとは関係なしに、バスガイドさんが、「南北」を「なんぽく」と発音するのが独特だと思った。北海道ではそれで普通なんだろうか?。
 大通り公園からは駅の反対側になる、アスペンホテルと言う所に宿泊。JR札幌駅からとても近くてきれいなホテルの上、普通3人で宿泊するとツイン+スペシャルベッドになるところ、3ベッドの部屋があるホテルでとても良かった。
 そこから夕食を食べに夜の町へ出る。今回は母が「どうしても本場のジンギスカンが食べたい」と言うので、色々お店がある中、松尾ジンギスカンと言うチェーン店に行った。
 ジンギスカンにはたれをつけながら食べるタイプと、肉をあらかじめたれにつけてあるタイプとあって、そのお店は後者の方。店に入ると初心者かどうか聞いてくれて、食べ方がわからない人には色々説明してくれる。なかなか親切だ。
 ただ、実は私は羊の肉はニガ手なのです。ラムチョップくらいしかまともに食べたことないし、正直恐る恐る食べた。そしてやっぱりニガ手だと思った(´`;。とき卵を付けると少しマイルドになったり、クラスの高い肉の方が、よりクセが少なくて美味しいのはわかったけど、食べ切るまで我慢大会のような状態だった。多分もう二度と食べない…。
 で、翌朝は7時30分に出発と早いので、ホテルに帰るとさっさと寝た。夜の札幌駅周辺は、東京の町とそんなに変わらないけど、人が少ないのと、信号機が縦に並んでる点だけは違ってます。

砂川 旭山
左上)途中で寄ったPA。
東京にもあるけど砂川って各地にある地名ね。

右上)お散歩で有名なペンギン。
お散歩は冬期だけなので見れなかった。

右)園内の自販機には色んなオブジェが。
これはオオカミの親子。

左下)泳いでるアザラシ。チューブ水槽では
泳ぎが速過ぎて写真が撮れない。

右下)愛想のいいシロクマ。
旭山
旭山 旭山

旭山 旭山
左上)後ろ姿のアムールトラ。
ガラス窓から間近に見られる。

右上)きれいなユキヒョウ。
わりと人に慣れた感じでかわいい。

右)開きっぱなしのインドクジャク。
二羽いて二羽とも開いてた。
旭山

札幌 左)夕方のJR札幌駅。
左のビルは割りと最近できたJRタワーで、
中は飲食店などお店とホテル。

駅の周りはとっても広々。





5/21
小樽〜ニセコ〜洞爺湖〜昭和新山〜大沼公園〜函館

<小さくてかわいい小樽の町>
 朝、ホテルでキー閉じ込みをやってしまい、あーあと言う出だしだったけど、昨日の夕焼けのまま天気はとても良く、観光は順調に行きそうな予感だった。
 この日まず最初は小樽の町へ。小樽と言うと、桃鉄の物件から寿司のイメージが強い私だけど、お昼よりかなり前の時間帯なので、お寿司を食べることはなかった(^ ^;。小樽でもうひとつ有名な運河とレンガの倉庫群。これらもあまり大したことはなかった。過去に運河で栄えていたと言うだけで。
 それより雰囲気の良いかわいらしい町が良かったです。通りに並ぶ多くのお店や家が、明治時代に建てられたレトロな建築物で、オリジナルのガラス製品などを扱う店が多く、ひとつひとつお店を覗いてみる楽しみがあります。そう、小樽はガラスの町でもありますね。
 その中で一番大規模に展開する、「北一硝子」のお店が五軒くらいあるんだけど、その中の一軒、「ヴェネツィア美術館VENINI」でお土産を買いました。ミルフォリと言うヴェネツィア伝統のガラス細工を、北一硝子で再現したペンダント。イタリアに旅行した時ヴェネツィアには行けなかったので、ここで買えてちょっと嬉しかった。
 そのヴェネツィア館では、再現したヴェネツィアガラスを売るだけでなく、イタリア貴族の衣装で写真を撮らせてくれるサービスなどもやってました。流石にやらなかったけど(笑)。他の北一硝子さんでは、建物自体が素敵な三号館で、和の食器からマスコット類まであらゆる物を売っていたり、ガラス作りを見学できる工房などもあります。
 それから、最近有名になった洋菓子店ルタオの大きなお店が三軒。無論ここが本店です。試食をさせてくれて美味しかったチョコ菓子を買いましたv
 その他に小樽には、総合博物館や金融資料館など、北海道の歴史を知る施設がいくつかあり、興味深い町なんだけど、時間がなくて全然行けなかった。お店を見て回る時間自体が足りなかった。もっと時間が欲しかった小樽でした…。

<景色はいいんだ景色は…>
 小樽からまたバスに乗り、次の洞爺湖を目指す途中、トイレ休憩を兼ねてニセコの道の駅に寄りました。
 ニセコと言うとスキー場しか知らない私ですが、道の駅には北海道の農産物が安く売られていて、豆類などを色々買って来ました。それとメロンの漬物。以前高級漬物店で、間引きした小さいメロンの塩漬を買って、すごく美味しかったので、似たようなものにまた会えて嬉しかった。と言うか、小さいものだけでなく、プリンスメロン位の大きさの漬物もあって、北海道では普通にメロンの漬物を食べてるみたいですね。
 さて、引き続きバスに乗ると、車窓から羊蹄山が見えました。まだ雪がしっかり被っていて冬山の様子。その周辺の林も雪だらけで、雪解け水の溜まった所に水芭蕉が沢山自生してました。それと蕗も大量に生えていて、もう摘んで食べる人もいないだろうほどでした。
 そこから、サミットが行われた洞爺湖へ。洞爺湖は支笏湖とセットで国立公園になってますが、それだけにものすごく景色のいい所です。天気が良かったので尚更気持の良い景色でした。背景に見える有珠山から、まだ少し煙が出ているのも見えました。
 そこのサイロ展望台と言う所で昼食。本当に眺めの良い場所での食事は良かったんだけど、色々と予定外なことが発生。
 私と母はホタテがメインの和膳だったけど、父が羊のステーキを頼んだらそれはジンギスカンだった。二日続けて父はジンギスカンを食べる羽目に。また私達の食事には毛ガニが一杯付いていて、食べ方を教えてくれたりしたんだけど、食べ難くて随分時間がかかってしまった。お陰でゆっくり景色を楽しむ暇がなくなったのでした(- -;。
 そう、この有珠山と洞爺湖周辺の名物に「わかさいも」と言うお菓子があって、豆や昆布を使ってお芋風にしたものなんだけど、それを「食べてみて美味しかったらもっと買おう」と言って、一度買ったきり買えなくなったり。とにかく二日目は、移動距離が長くて一箇所に居られる時間が短く、忙しい旅になってました。

小樽 小樽
左上)レンガの倉庫群と運河。
意外とちょっとしか残ってない。

右上〜右下)小樽の道沿いのお店達。
明治時代の建物が今もきれいに
使われていて雰囲気がいい。
小樽
小樽 小樽

右)PAで撮った羊蹄山。
ちょっと雲がかかって残念。

左下)洞爺湖から見る有珠山。

右下)洞爺湖の眺め。
サミットに選ばれるだけあって本当にきれい。
羊蹄山
有珠山 洞爺湖



<ひたすら景色のいい所を点々と進む>
 洞爺湖の後は割と近くの昭和新山へ。この山って必ず道南の観光ルートに入ってて、どうせ小さい山だろうしいらないわー、と思ってたけどそれなりに楽しめた。
 名前の通り昭和に入ってから隆起した山で、珍しいと言えば珍しい。まだ煙が出ているし、隆起した土や石の色が新しいのがわかる。既にある程度風化しているらしいけど、これが山と言う地形のできる元、と言う勉強にはなります。周辺の景色も良かった。
 それと、熊牧場と言う施設があって、母が入りたがったので見て来た。ヒグマが沢山飼育されてるんだけど、生まれたばかりの子熊から、やんちゃ盛りの1〜2才、勉強(しつけ?)をする3〜5才、などと書かれた檻に分かれていて、エサを買って投げようとすると、「くれくれ」したり拝んだりする芸を見せる大人熊もいて、結構面白かった。
 昭和新山からまたバスに乗り、次に向かったのは大沼公園。この辺りは別荘地として知られているらしく、とても景色のいい一帯です。
 沼に差し掛かると駒ヶ岳が見え始め、本来富士山型の山だったのが噴火して、真ん中がえぐれてしまったと言う説明を聞く。イタリアのベスビオ火山と全く一緒だなと思った。
 大沼公園は、大沼、小沼、じゅん菜沼と、三つの沼から成り立ってるらしいけど、一番興味を惹かれるじゅん菜沼は見れなかった(元々観光予定に入ってない)。残念に思いつつ公園の中を散策。
 陽が傾き始めた公園の、広々とした沼や木々の景色が、北の別荘地らしくとても良かった。ここでやっと桜の写真が撮れた。北海道はあまりまとまって桜のある所がなく、ポツリポツリとまばらに木がある為、なかなか写真に収められなかった。しかも山桜系なので、花の付き方もまばらな感じ。
 また公園の途中に「千の風になって」の発祥モニュメントが、景色の邪魔にならないように土に埋まっています。訳詩者がこの大沼の別荘で構想したことから、ここに祈念碑ができたそうです。
 公園の外には有名だと言う団子屋があるけど、午後五時を過ぎて閉まっていた。鉄道駅周辺のお店が軒並み閉まってしまい、いつかの天橋立を思わせる(笑)。観光地だけの町だと、夕方になると本当に淋しい…。

<夜の函館へ…と言いつつ>
 更にバスに乗り、ようやく今日の終点函館へ。湯の川温泉の旅館に一泊する。
 結局天気予報とは違い、一日とてもいい天気だった為、函館に入った時も函館山がきれいに見えて、明日が楽しみだなーと思わせた。
 しかし観光はまだ終わっていない。夕食後に函館の夜景を見るバスツアーがあるのだ。函館の夜景は有名なので、余裕があれば是非見に行きたいところだったけど…
 翌朝も出発が早いことで、両親が辛そうなのを考慮して参加しないでおきました。私も、足は全く疲れてないんだけど、バスに乗り過ぎて腰が痛かったし、温泉に入りたかったのでパスすることに。もう少し時間的に余裕があればなぁ。
 と言うかこのパックツアーでは、三日目の観光は朝遅い時間からでもスタートできるけど、そうすると帰りの時間がかなり遅くなってしまうので、それはキツいと判断したのね。夜景を見て頑張って早く帰るか、夜景を見てかなり遅く帰るか、夜景は諦めるかの三択で。
 まあ私だけだったら、夜景を見て遅く帰る選択をするんだけど、両親がいたから(特に父)しょうがないところです(^ ^;
 ちなみに以前は、夜景観光でバス大渋滞と言うことがよくあったそうだけど、今はルールが定まり、そんなことはないそうです。
 夕食にはまた毛ガニが一杯出て来て、一生懸命ほじくって食べてこれまた疲れた(笑)。
 温泉の出る大浴場は、「臥牛の湯」となっていたけど、この臥牛とは函館山のことで、牛が寝そべる形に見えるから別名「臥牛山」とも言うらしいです。湯の川温泉のお湯は少ししょっぱかったです。

昭和新山 熊牧場
左上)バスの車窓から撮った昭和新山。
真ん中くらいから煙が。

右上)熊牧場の小熊。
大人のヒグマは怖いけど子供はかわいい。

右)車窓から撮った駒ヶ岳。
真ん中がえぐれてなければ正に富士山型。
駒ヶ岳

大沼 大沼
左上)大沼公園入り口の正面。
モーターボートで沼を回ることもできる。

右上)公園内の風景はとてもきれい。

右)「千の風になって」の碑。

左下)桜のある景色。

右下)かわいい大沼公園駅。
何線なのかは不明。
大沼
大沼 大沼公園駅



5/22
函館市内(トラピスチヌ修道院〜五稜郭〜朝市)

<美しき善き函館>
 三日目の朝は、札幌では雨が降っていたのに、函館は曇りから晴れと言う状況で、またもやラッキーなお天気。
 朝食のバイキングでおかゆを食べるとすぐに出発。夜、夜景観光をしなかったので、この朝の元町散策が初めての函館観光です。
 函館は他の、横浜や神戸などと同じく、外国文化の影響を受けた港町なので、異国情緒のある建物が多いんだけど、それがいかにも西洋建築ではなく、和洋折衷の建物が多い点が面白いところ。保護指定になっている家をひとつひとつ見て行くと面白かった。
 それと、キリスト教会とお寺が隣同士集まって建っていたり、元町公園を見下ろす公民館の、独特な建築や配色が面白かったり、元町は散歩してみると色んな発見がある町です。
 また、通りから坂を見下ろすと、広がっている函館港の海面が爽やかな印象で、気持の良い景色を楽しめました。
 因みに函館は、箱館とも書くことがあるんですが、昔、政府(幕府?)関連の何かの建物が、箱のように四角かったから箱館と言ったそうです。
 さて、歴史的な地区を散策した後は、バスに乗ってトラピスチヌ修道院に行きました。北海道のお土産として有名なトラピスト修道院のバターやクッキーは、物産展などでよく見かけるけど、トラピストの方は男子修道院で、見学は予約制になっているそうです(但し男性のみ)。トラピスチヌの方は女子の修道院で、共にフランスの宣教師が建てたものです。
 修道院のお庭は、天気が良かったこともあってとても綺麗でした。カトリックの修道院なので複数のマリア像、聖人の像などがあり、その最奥に修道院が建っていて、その中では今日も日々のお務めをする女性達がいます。それを見ることはできないけど、すぐ横でこんなに騒々しくていいのかな?、と申し訳なくなる感じでした(^ ^;
 旅人の礼拝堂があったのでお祈りして来ました。それと、女子修道院らしく売店では、シスターの手作りアクセサリー(ロザリオやストラップ)が多く並んでいて、とても可愛らしかった。手作りマドレーヌも素朴で美味しかったです。
 尚、修道院は以前はとても厳格で、親の危篤の時でさえ帰らせてもらえなかったそうですが、今は色々規則が緩和され、面会も明るい部屋で割と自由にできるし、髪の毛もある程度伸ばしてもよくなったそうです。言われてみれば最近町で見かけるシスター達は、必ずしも短髪じゃないですね。

<私達に取ってのハイライト>
 次にバスに乗って向かったのは、今回の旅行で一番楽しみにしていた五稜郭であります。
 五稜郭は御存知の通り、函館戦争の時に榎本武揚が中心となって闘った星形の要塞。今年の大河ドラマ「八重の桜」でも、幕末の戦争を扱っているけど、その最後の最後の地なので、日本史ファンとしては是非押さえておきたい場所ですね。
 桜と言えば、前途の通りまだ桜が充分咲いている状態だったので(満開からは少し過ぎた感じ)、いい時期に来られてラッキーでした。今年の天気は。
 さて五稜郭は、タワーに昇って見ないと星形をしているのがわからないので、早速五稜郭タワーへ。すると何だか異常に中国人が多く、あちこちで騒々しく中国語が聞こえる。前のトラピスチヌにも中国人が多くいたけど、五稜郭はもっとすごかった。札幌はそうでもないのに何故函館かな?とちょっと考えたり…。
 タワーの上に昇ると、とてもいいお天気の中、薄桜色を纏った五稜郭が一望できてそれはもう感激です。よく見ると五角形の下(入口)に当る部分に、菱形のような突起があって、それが花の蕚の部分に見えなくもない、本当に美しい造型です。
 またタワーの中には、ジオラマや、お人形で歴史を辿る展示もあるんだけど、その展示で知ったことには、函館戦争の後この五稜郭のお堀に張った、氷を切り出して売っていたことがあるそうです。「五稜郭氷」として有名だったんだとか。あと土方歳三の像のひざ辺りが茶色くなっていて、どれだけの人が触ったんだ?と言う感じでした。
 で、五稜郭の中に入ると、緑と桜が綺麗で気持良く散歩できる公園になってました。石垣もきれいに保存されてるんですが、それにも特徴があって、一番上の石は外に出っ張って置かれています。敵が侵入し難いようになってるんですね。
 真ん中には移築された函館奉行所がありますが、時間がなくて入れませんでした。そう、五稜郭内をもっとじっくり歩いて回りたかったんだけど、時間が足りなくて全部回れなかったのが残念です。折角いい時期に行ったのに、もうちょっと見学時間をとってほしかったな…。
 書き忘れたけどタワーの中にはお土産物屋さんがあり、そこで買物をしたらおまけをくれました。五稜郭のポストカードですが、四季の一番特徴的な姿の写真が載っていて、ちょっと嬉しい物でした。

元町 元町
上2枚)元町の教会群。
右の教会は上から見ると十字になっている。

右)坂の下に広がる函館港。

左下)公民館の建物。
黄色が鮮やかで面白い配色。

右下)旧イギリス領事館。
洋風建築なのに瓦屋根で面白い。
元町
元町 元町

修道院 修道院
修道院 左上)出迎えてくれる聖母像。

右上)修道院内の祈り場に本物があると言う、
聖母の霊を見る修道女の像。

左)入ってすぐの所にある
大天使ミカエルの像。

左下)修道院の建物。勿論中には入れない。

右下)旅人の祈り堂。
丁度入り口の桜がきれいに入った。
修道院 修道院

五稜郭 五稜郭
上2枚)五稜郭全景。
タワーから写真を撮ると、ひとつの窓からでは、
全体が入らないので半分ずつ。

右)タワーの展望室にある土方歳三像。
膝の所がすっかりハゲて茶色く
なってるのがよくわかるでしょ?。。
五稜郭

五稜郭 五稜郭
左上)五稜郭内部。
石垣の一番上の石に注目。

右上)石垣と桜。
五稜郭の中は公園としてとてもきれい。

右)移築された函館奉行所。
五稜郭の丁度真ん中にある。
五稜郭

<函館の色んな側面>
 次にはバスに乗って、お昼ご飯を食べに函館朝市に行きました。
 函館の朝市と言うと、シーズンには茹でた蟹や焼き蟹を、タレントが路上で頬張る絵がすぐ浮かぶけど、それは早朝の風景で、昼には落ち着いた感じになってましたね。
 ただここの「朝市丼」と言う、自由に具を選んで食べられる海鮮丼はとっても美味しい。私と母は特に追加料金なしの具で食べたけど、父が頼んだ別料金の生ウニがすごく美味しかった、とのことでした。
 ご飯の量も調節してもらえるし、丼の他にご飯のおかずを取り放題になっていて、その塩辛や昆布なども美味しかったです。
 食事の後に市場を回ってみましたが、魚以外で北海道で有名なアスパラなどもあり、美味しそうだったけど結構高かったです。例え地元のものとしても、高級なものは高級ね(^ ^;
 珍しいところで、鮭とばならぬホッケとばを買ってみました。少し固いけど美味しかったです。
 そして食後はまたバスに乗り、函館のベイエリアと呼ばれる少しお洒落な地区に行きました。
 赤レンガの倉庫群などは小樽と似てるけど、こちらはその倉庫の中を、お洒落なカフェやお土産物屋さんにしていて、倉庫自体も広くきれいで、それを町の中心にしている感じです。お土産物は本当に沢山あって(主に食べ物)、函館ブランドがこんなにも多いことに驚きます。道南のお土産は是非函館で!。
 また倉庫のすぐ前に函館港が広がっていて、散歩していてもとても景観のいい町です。その一角のオープンカフェでカフェラテを飲みました。父がソフトクリームを頼んだら、すぐに鳩が寄って来て面白かった。観光客がコーンカップをくれることを学習してるみたいでした。
 ここは時間が充分にあったので、その他オルゴールショップ等存分に見て回れたけど、小樽もこのくらい時間があったらなぁと最後には思いました(^ ^;。

<帰りにちょっと心残り>
 初めて行った函館空港は、搭乗口が八つある中ぐらいの空港で、静かで綺麗な建物でした。流石に八丈島や石見の空港よりずっと広くて空港らしい。
 到着してすぐ出発時の失敗を思い出し、さっさと手荷物検査を通過してしまったら、後に随分時間を持て余してしまい、飛行機関係はまたもや失敗です(- -;。
 ただ、早く待機場に入ったお陰で、函館空港に外国の航空機が入っているのを知りました。丁度出航する所を見たんだけど、恐らく中国からの直行便。だから函館にはやたら中国人が多かったんだな、と、空港で納得できた。
 さて、帰りの飛行機もまた初めて乗るAIR DO機。北海道ならではの飛行機だから、どんな特徴があるかと思ったら、シートに付いているカバーの公告が全て「白い恋人」でした(笑)。
 また、機内サービスで出るオニオンスープが美味しくて、エアドゥのマスコット「ベアドゥ」の熊の絵が付いた、オニオンスープの箱をお土産に買いたかったんだけど、家に淡路のお土産のたまねぎスープが沢山あるので流石にやめました。何かタイミング悪くて残念…。
 その後羽田には夕方六時頃到着。空港内で蕎麦を食べて(冷たくて美味しかった)家に帰りましたが、戻って来ると改めて「東京暑い」と感じました、とさ。

ベイエリア ベイエリア
左上)赤れんがの倉庫群。
一見いかつい外見だけど、内部に入るとおしゃれ。

右上)函館港。今は小さい港だけど、
港の景色は爽やかでとてもきれい。

右)赤れんが倉庫の間の道。
過去の物流拠点のせいか、
道が広々していて気持ちいい。
ベイエリア

おみやげ おみやげ
左上)父の謎のおみやげ1。
五稜郭タワーで売っている、
タワーのようなどら焼き(笑)

右上)父の謎のおみやげ2。
旭山動物園のボールペン。
120円くらいとリーズナブルではある。

右)五稜郭でくれたポストカードと切符。
おみやげ





 そんな訳で、出発前には天気予報があまり芳しくなく、着る物もどうしようと迷っていたけど、行ってみたら天気は上々で快適な気温で、その意味ではとてもいい北海道旅行でした。ただガイドさんも言っていた通り、北海道は広くて拠点から拠点の移動距離が長い為、特に二日目は移動ばかりしていた印象です。
 なので私の感覚では、函館なら函館のみ一泊二日くらい、札幌周辺なら旭川と小樽くらいに絞って二泊三日くらい、そんな行程で出掛けるのがお勧めですわ。
 これから北海道に行かれる予定の方は、是非参考にして下さいませ。