■伊達政宗ゆかりの大悲願寺レポート
 伊達政宗ゆかりの白萩の寺、大悲願寺のレポートです。昨年訪れた時は既に、萩の見頃の終わりの頃だったので、レポートをupしても、それから出掛けるのは無理だったのですが、今年は、お近くの方は出掛けてみて下さいませ。(初出2007/06/01)



看板に「東国花の寺百ケ寺」とあります。
ちなみに後ろ姿はうちの母(笑)。



 このお寺は正式には、金色山吉祥院・大悲願寺と言う、真言宗豊山派の寺院です。東京・あきる野市のこの地を金色山と言う、仏教の拠点として開いたのは聖徳太子の全国行脚の時で、その後鎌倉時代に、源頼朝の命により建てられた寺のひとつ、だそうです。
 この寺院が伊達政宗と何の関係があるかと言うと、伊達家の正式な家系図には無い、側室の子供らしいのですが、政宗の末弟に当る秀雄と言う人が、出家してこの寺院に入り、後に十五代僧正になっているのです。その縁で政宗はこの寺院に立ち寄り、秋川渓谷で釣りをして楽しんだこともあるそうです。
 その来訪の際に、庭一面に咲く白萩がとてもきれいで、その時は言い出さなかったものの、後日飛脚を寄越して、譲ってほしいと言って来たのだそうです。その時の手紙が今も残っていて、東京都の文化財になっています。
 そうして仙台藩と交流があった寺院ですが、明治時代に入って廃仏稀釈令の対称になり、しばらくの間その歴史が途絶えていたようです。昭和三十年頃になって復興し、つい最近になって文化財的価値を再考され、今は荒れた社内の修理等を進めています。
 尚、現在青葉城下にある、仙台市立植物園にある白萩は、昭和に入って改めてこの寺院から贈ったものだそうです。それと交換に、仙台市から贈られた臥竜梅は、今も大悲願寺の庭に植えられています。



人懐こい猫が、白萩の庭をうろうろしてました。



 私が出掛けたのは9月の終りだったのですが、花の一番いい時期は数日過ぎたかな?、と言う感じでした。寺院の年中行事には、9月10日から9月30日まで「白萩まつり」とありますが、9月15日頃が一番見頃の時期だと思います。(まつり、と言っても寺院の行事なので、一般的なお祭りではありません、多分)
 鎌倉期の山門や鐘楼、古い木造の本堂、針葉樹の大木が黒々とした寺院なので、白い萩の花が本当にきれいに映ります。また、私が出掛けた時は造成中でしたが、「ミニ八十八尊巡り」ができる山の散歩道もあります。この寺院自体が、多摩の八十八ケ所巡りの五十九番に当るようですが。
 周辺は東京とは思えないような田舎の風景なので、秋の行楽のついでにでも立ち寄ってみて下さい(^ ^)。いや本当に畑ばっかりで、道幅も「農道」と言う感じに狭いので、車で行かれる方は気をつけて下さい。対向車とすれ違えなくてかなり困ったのです(笑)。




場所>JR五日市線・武蔵五日市駅(終点)または武蔵増戸駅、から徒歩。
住所>東京都あきるの市横沢134(明治時代は東京府西多摩郡増戸村大字横沢、と言う地名だったようです)